1980年にBBC Twoで放送された美術ドキュメンタリー「100 Great Paintings」は、タイトルこそ「100」ですが、実際に紹介された作品の総数は220点にのぼります。1人の画家から複数の作品が選ばれているケースが多いためです。番組の構成は「戦争」「礼拝」「色彩の言語」「狩猟」「水浴」など20のテーマ別グループでしたが、この記事ではより見通しやすいよう、全220作品を制作年代順に並べ替えました。12世紀の中国絵画から1969年の現代美術まで、800年近い美術の流れを一望できます。
12〜15世紀(21点)
1. 《谷間の晴天》作者不詳・中国宋代(12世紀)
山と霧の描写を通じて、自然との一体感を表現する、中国山水画の伝統を代表する一枚。作者の名は伝わっていない。
2. 《キリストの哀悼》ジョット(1304〜06年頃)
パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂を飾る壁画の一つ。人物に初めて重力と感情を持たせた、ルネサンス絵画の出発点とされる。

3. 《盲人を癒すキリスト》ドゥッチョ(1308〜10年)
シエナ派の巨匠による、聖書の奇跡の場面。ビザンティン様式の名残を残しつつ、人物表現に、新しい柔らかさが見られる。

4. 《貢の銭》マサッチオ(1425年頃)
フィレンツェのブランカッチ礼拝堂を飾る壁画。遠近法と陰影表現を駆使し、初期ルネサンス絵画の記念碑的な作品とされる。

5. 《ロランの聖母》ヤン・ファン・エイク(1434年)
ブルゴーニュ公の顧問ロランが、聖母子に跪く姿を描いた作品。油彩技法の精密さで、北方ルネサンスを代表する。

6. 《ダビデ王に水を運ぶアビシャイ、シベカイ、ベナヤ》コンラート・ヴィッツ(1435年頃)
旧約聖書サムエル記の一場面を題材にした、スイス・バーゼル出身の画家による作品。

7. 《薔薇垣の聖母》シュテファン・ロッホナー(1448年頃)
薔薇の垣根に囲まれた聖母子を描く、ケルン派を代表する、後期ゴシック絵画の傑作。

8. 《聖ヨハネ祭壇画》ロヒール・ファン・デル・ウェイデン(1450年以降)
洗礼者ヨハネの生涯を描いた、フランドル派を代表する画家による、多翼祭壇画。

9. 《サン・ロマーノの戦い》パオロ・ウッチェロ(1456年頃)
フィレンツェとシエナの戦闘を題材にした連作の一枚。遠近法への執着で知られる画家の代表作。

10. 《磔刑》アンドレア・マンテーニャ(1457〜60年)
硬質で彫刻的な人体表現が特徴の、初期ルネサンスを代表する画家による、キリスト磔刑の場面。

11. 《東方三博士の行列》ベノッツォ・ゴッツォリ(1460年頃)
メディチ家の礼拝堂を飾る、華やかな行列画。同時代のフィレンツェの名士たちの肖像も、紛れ込ませているとされる。
12. 《キリストの復活》ピエロ・デラ・フランチェスカ(1460年頃)
静謐で幾何学的な構成で知られる画家による、復活したキリストを描いた代表作。

13. 《ゲッセマネの祈り》ジョヴァンニ・ベリーニ(1465年頃)
ヴェネツィア派の巨匠による、キリストが逮捕前夜に祈りを捧げる場面。柔らかな光の表現が特徴。
14. 《東方三博士の礼拝》フーゴー・ファン・デル・グース(1470年頃)
フランドルの画家による、写実的な人物描写が際立つ、東方三博士の礼拝の場面。

15. 《ヴィーナスの誕生》ボッティチェリ(1478〜87年)
貝殻の上に立つ女神を描いた、初期ルネサンスを代表する神話画。優美な線描で知られる。

16. 《キリストの降誕》ピエロ・デラ・フランチェスカ(1480年頃)
静かで抑制された画面構成の中に、キリスト降誕の場面を描いた作品。

17. 《荒野の洗礼者ヨハネ》ヘールトヘン・トット・シント・ヤンス(1485〜90年頃)
オランダの画家による、思索にふける若き洗礼者ヨハネの姿を描いた作品。
18. 《聖ヨハネ祭壇画》ハンス・メムリンク(1494年以前)
ブルッヘで活動した画家による、緻密な描写が特徴の祭壇画。

19. 《リアルト橋の聖十字架の奇蹟》ヴィットーレ・カルパッチョ(1494年)
ヴェネツィアの日常風景の中に、聖遺物にまつわる奇跡を描き込んだ作品。

20. 《自画像》デューラー(1498年)
洗練された衣装をまとい、自信に満ちた表情を見せる、デューラー20代の自画像。

16世紀(27点)
21. 《快楽の園》ヒエロニムス・ボス(1500年頃)
天国・地上の楽園・地獄を描いた三連画。奇怪な図像に満ちた、謎めいた寓意画として知られる。

22. 《男の肖像》ルカ・シニョレッリ(1500年頃)
人体の解剖学的な理解に長けた、フィレンツェ派の画家による肖像画。

23. 《ヴェネツィアの若い女性の肖像》デューラー(1505年)
イタリア滞在中のデューラーが描いた、精緻な女性の肖像画。

24. 《牧場の聖母》ラファエロ(1506年)
聖母子と幼い洗礼者ヨハネを、牧歌的な風景の中に配した、均整の取れた構図の作品。

25. 《眠れるヴィーナス》ジョルジョーネ(1508年)
横たわる裸婦像の、その後の西洋絵画における規範となった、初期の代表例。

26. 《田園の合奏》ジョルジョーネ(またはティツィアーノ)(1510年頃)
着衣の男性と裸婦を、牧歌的な風景に配した謎めいた作品。帰属をめぐり議論が続く。

27. 《聖アンナと聖母子》ダ・ヴィンチ(1510年頃)
聖アンナ、聖母マリア、幼子イエスを、スフマート技法で柔らかく描いた晩年の作品。

28. 《キリストの洗礼》パティニール(1515年頃)
広大な風景画の中に、キリストの洗礼の場面を小さく配した、風景画の先駆者による作品。

29. 《イーゼンハイム祭壇画の磔刑》グリューネヴァルト(1515年)
皮膚病患者のための病院の祭壇画。苦悶に満ちた、生々しいキリスト磔刑像で知られる。
30. 《死と乙女》ハンス・バルドゥング・グリーン(1517年)
死神と若い女性を描いた、当時流行した「死と乙女」の主題を扱う作品。

31. 《聖母子と幼い洗礼者ヨハネ》ジュリオ・ロマーノ(1518年頃)
ラファエロの弟子による、師の画風を継承した、聖母子像。
32. 《ピュラモスとティスベ》ニクラウス・マヌエル・ドイチュ(1523年以降)
古代ローマの悲恋物語を題材にした、スイスの画家による作品。

33. 《アンドロス島のバッカス祭》ティツィアーノ(1523〜26年)
酒神バッカスの祝祭を描いた、豊満な色彩表現が際立つ神話画。

34. 《アレクサンダー大王の戦い》アルブレヒト・アルトドルファー(1528〜29年)
無数の兵士が入り乱れる戦場を、俯瞰的な構図で描いた歴史画。

35. 《画家の家族の肖像》ホルバイン(子)(1528年)
宮廷画家として知られるホルバインが、自らの家族を描いた私的な肖像画。

36. 《レダと白鳥》コレッジョ(1530年頃)
ゼウスが白鳥に姿を変えてレダに近づく神話を、官能的に描いた作品。

37. 《楽園のアダムとイヴ》クラーナハ(父)(1531年)
禁断の果実を手にするアダムとイヴを、独特の様式で描いた、ドイツ・ルネサンスの代表作。
38. 《眠れる幼子イエスと聖母、聖ヨセフ、聖カタリナ》ロレンツォ・ロット(1533年頃)
穏やかな家族的情景として、聖家族を描いたヴェネツィアの画家による作品。
39. 《イカロスの墜落のある風景》ピーテル・ブリューゲル(父)(1550年頃)
イカロスの墜落を、画面の隅に小さく配し、日常の営みを主役に据えた、逆説的な構図の作品。

40. 《ディアナとカリスト》ティツィアーノ(1556〜59年)
女神ディアナが、身重の従者カリストを見つける神話の場面を描いた作品。

41. 《フローラ》ヤン・マツィス(1559年)
花の女神フローラを描いた、フランドルの画家による寓意画。

42. 《死の勝利》ピーテル・ブリューゲル(父)(1562年頃)
骸骨の軍勢が人々を襲う、終末的な光景を描いた大作。

43. 《カナの婚礼》ヴェロネーゼ(1562〜63年)
キリストが水を葡萄酒に変えた奇跡を、豪華絢爛な宴の場面として描いた大作。

44. 《雪中の狩人》ピーテル・ブリューゲル(父)(1565年)
雪に覆われた村を見下ろす、狩人たちの姿を描いた、季節連作の一枚。

45. 《火》アルチンボルド(1566年)
炎や燃える器具など、火にまつわる事物を組み合わせて、人の顔を構成した寓意的肖像画。

46. 《ヴィーナスに戴冠されるバッカスとアリアドネ》ティントレット(1576〜77年)
神話上の結婚の場面を、劇的な構図で描いたヴェネツィア派の作品。

47. 《オルガス伯の埋葬》エル・グレコ(1586年)
地上での埋葬と、天上での魂の受け入れを、上下二段で描いた、エル・グレコの代表作。

17世紀(26点)
48. 《川景色》アンニーバレ・カラッチ(1595年頃)
理想化された自然の情景を描いた、ボローニャ派を代表する画家による風景画。

49. 《エマオの晩餐》カラヴァッジョ(1596〜98年)
復活したキリストが弟子たちと食事をする場面。強烈な明暗表現で知られる、初期カラヴァッジョの代表作。

50. 《リュートを弾く若者》カラヴァッジョ(1596年頃)
写実的な静物と若者の姿を組み合わせた、カラヴァッジョ初期の代表作の一つ。

51. 《トレドの眺め》エル・グレコ(1600〜10年)
故郷トレドの街を、劇的な光と暗雲のもとに描いた、数少ない風景画の一つ。
52. 《女占い師》ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(1620〜21年頃)
占いを装った、すり集団による欺瞞の場面を描いた、風俗画的な作品。

53. 《サムソンとデリラ》アンソニー・ヴァン・ダイク(1628〜30年頃)
旧約聖書の英雄サムソンが、デリラの裏切りにより力を失う場面を描いた作品。

54. 《聖ヨセフの夢》ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(1628〜45年頃)
ろうそくの光を効果的に用いた、ラ・トゥール特有の、静謐な宗教画。

55. 《運河の冬景色》ヘンドリック・アーフェルカンプ(1630年頃)
凍った運河でのスケートや遊びの様子を描いた、オランダの冬景色画。

56. 《眠れるヴィーナスとキューピッド》ニコラ・プッサン(1630年)
古典的な理想美を追求した、フランス古典主義を代表する画家による神話画。

57. 《松島図屏風》俵屋宗達(1630年頃)
日本の琳派を代表する画家による、金地に松島の景観を描いた屏風絵。

58. 《レモン、オレンジ、薔薇のある静物》スルバラン(1633年)
簡潔で厳格な構成が特徴の、スペイン静物画を代表する作品。

59. 《ブレダの開城》ベラスケス(1634年)
スペイン軍によるブレダ包囲戦の終結を描いた、宮廷画家ベラスケスによる歴史画。

60. 《バルタサール・カルロス王子》ベラスケス(1635年)
幼い王子を、乗馬の姿で威風堂々と描いた、宮廷肖像画の傑作。
61. 《金の子牛の礼拝》ニコラ・プッサン(1635年)
モーセ不在の間、偶像を崇拝する民の姿を描いた、旧約聖書の場面。

62. 《狩人のいるステーン城》ルーベンス(1635〜37年頃)
ルーベンス自身が所有した城を舞台にした、晩年の風景画。

63. 《メルクリウスとアルゴス》ルーベンス(1638年)
神々の使者メルクリウスが、百の目を持つ怪物アルゴスを欺く神話の場面。

64. 《農民の家族》ル・ナン兄弟(1640〜45年)
慎ましい農民の生活を、尊厳を持って描いた、フランス写実主義の先駆的作品。

65. 《ハールレムのグローテ教会内部》ピーテル・サーンレダム(1648年)
簡素で秩序ある教会内部を描いた、オランダの建築画を代表する作品。
66. 《大きな森》ヤーコプ・ファン・ロイスダール(1655〜60年頃)
深い森の情景を通じて、自然の荘厳さを表現した、オランダ風景画の傑作。
67. 《ラス・メニーナス》ベラスケス(1656年)
幼い王女とその侍女たち、そして鏡に映る国王夫妻を描いた、視線の仕掛けで知られる代表作。

68. 《デルフトの眺望》フェルメール(1660年頃)
故郷デルフトの街並みを、光の変化とともに描いた、フェルメールの数少ない風景画。

69. 《自画像(パウロに扮する)》レンブラント(1661年)
使徒パウロの姿を借りて、自らの晩年の姿を描いた、内省的な自画像。

70. 《エジプト逃避途上の休息》ムリーリョ(1665年頃)
聖家族がエジプトへ逃れる途中の、休息の場面を穏やかに描いた作品。

71. 《ユダヤの花嫁》レンブラント(1666年)
寄り添う男女を描いた、晩年のレンブラントによる、深い情感をたたえた作品。

72. 《アトリエの画家》フェルメール(1670年頃)
画家自身がモデルを描く姿を、寓意的に表現した、フェルメールの代表作の一つ。

18世紀(19点)
73. 《ルイ14世の肖像》イアサント・リゴー(1701年)
豪華な衣装と威厳ある姿勢で、太陽王ルイ14世を描いた、フランス宮廷肖像画の代表作。

74. 《細密画家カール・ブルーニの肖像》ヤン・クペツキー(1709年)
同業の画家を描いた、中央ヨーロッパの肖像画家による作品。
75. 《シテール島への巡礼》ヴァトー(1717年)
恋人たちが理想郷シテール島を訪れる情景を描いた、フェート・ギャラント(雅宴画)の代表作。

76. 《水浴のバテシバ》セバスティアーノ・リッチ(1720年頃)
旧約聖書の場面を、優雅な色彩とともに描いた、ヴェネツィア・ロココの作品。

77. 《昇天祭のブチントーロ号の帰還》カナレット(1734年)
ヴェネツィアの祝祭行事を、精緻な都市景観とともに描いた作品。
78. 《若い女教師》シャルダン(1740年以前)
子供に文字を教える女性の姿を、静謐な日常の一場面として描いた作品。

79. 《無知を追い払う美徳と高貴》ティエポロ(1745年頃)
天井画に多く手がけた画家による、寓意的な天上の場面。

80. 《アンドリューズ夫妻》ゲインズバラ(1748〜49年)
広大な自らの領地を背景に、若い夫妻を描いた、イギリス肖像画の代表作。

81. 《金髪のオダリスク》フランソワ・ブーシェ(1751年)
横たわる若い女性を、官能的な色彩で描いた、ロココ絵画を代表する作品。

82. 《グロヴナー家の狩り》ジョージ・スタッブス(1762年)
馬と犬の描写に卓越した、イギリスの動物画家による狩猟の場面。

83. 《空気ポンプと鳥の実験》ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー(1767〜68年)
科学実験の様子を、劇的な光の演出とともに描いた、啓蒙時代を象徴する作品。

84. 《庭のラーダとクリシュナ》カングラ派(1780年頃)
インド・カングラ地方の細密画の伝統に基づく、神クリシュナと恋人ラーダを描いた作品。
85. 《スケートをするウォーカー牧師》ヘンリー・レイバーン(1784年)
スケートを楽しむ牧師の姿を、軽妙な筆致で描いた、スコットランド肖像画の代表作。

86. 《ブルートゥス邸に息子たちの遺骸を運ぶ警士たち》ダヴィッド(1789年)
共和政ローマの厳格さを象徴する、新古典主義を代表する歴史画。

87. 《娘との自画像》ヴィジェ=ルブラン(1789年)
マリー・アントワネットの肖像画家としても知られる女性画家による、母子の情愛を描いた自画像。

88. 《謝肉祭の情景》ゴヤ(1793年)
スペインの祭りの様子を描いた、ゴヤ初期の風俗画。

89. 《ロバの頭を撫でるティターニア》ヘンリー・フュースリ(1793年)
シェイクスピア『夏の夜の夢』の一場面を、幻想的に描いた作品。

90. 《ルーヴル大回廊の整備計画》ユベール・ロベール(1796年)
ルーヴル宮殿の未来像を、廃墟趣味を交えて描いた、建築幻想画の画家による作品。
19世紀前半(26点)
91. 《裸のマハ》ゴヤ(1800年頃)
横たわる裸婦を、正面から見つめる視線とともに描いた、当時としては大胆な作品。

92. 《ウィリアム・チャルマーズ・ベスーン、妻イソベル・モリソン、娘イザベラ・マクスウェル・モリソン》デイヴィッド・ウィルキー(1804年)
家庭的な情景を描いた、スコットランド風俗画の画家による作品。

93. 《ヒュルゼンベック家の子どもたち》フィリップ・オットー・ルンゲ(1805〜06年)
子供たちの生命力を、鮮やかな色彩と誇張された構図で描いた、ドイツ・ロマン主義の作品。

94. 《コーゼルの包囲》ヴィルヘルム・フォン・コーベル(1808年)
ナポレオン戦争期の戦闘場面を描いた、ドイツの戦争画家による作品。

95. 《巨人(コロッソ)》ゴヤ(帰属は今も議論あり)(1808〜12年頃)
巨大な人影が人々を見下ろす構図の絵。長らくゴヤ作とされてきたが、近年は弟子の作である可能性も指摘されている。

96. 《川辺の中世都市》カール・フリードリヒ・シンケル(1815年)
建築家でもあったシンケルによる、理想化された中世都市の風景画。

97. 《メデューズ号の筏》テオドール・ジェリコー(1819年)
実際に起きた海難事故を題材に、漂流者たちの絶望を描いた、ロマン主義の記念碑的作品。

98. 《氷の海》フリードリヒ(1822〜24年)
砕けた氷塊が積み重なる、極地の光景を描いた、ドイツ・ロマン主義を代表する風景画。

99. 《ソールズベリー大聖堂》ジョン・コンスタブル(1823年)
イギリスの田園風景と大聖堂を描いた、コンスタブルの代表的な作品の一つ。

100. 《キオス島の虐殺》ドラクロワ(1824年)
ギリシャ独立戦争における惨劇を描いた、ロマン主義を代表する歴史画。

101. 《国会議事堂の火災》ターナー(1834〜35年)
実際に起きたロンドン議事堂の火災を、劇的な光と色彩で描いた作品。

102. 《ギリシャ連作より》カール・ロットマン(1838〜50年)
ギリシャ各地の風景を描いた、ドイツの風景画家による連作の一枚。
103. 《貧しき詩人》カール・シュピッツヴェーク(1839年)
屋根裏部屋で暮らす、貧しい詩人の姿をユーモラスに描いた、ビーダーマイヤー期の作品。

104. 《ヴェネツィア、マドンナ・デッラ・サルーテ教会のポーチから》ターナー(1843年)
光と水の反射を、抽象的なまでに溶け合わせて描いた、ターナー晩年のヴェネツィア風景画。
105. 《エルサレムを滅ぼすティトゥス》ヴィルヘルム・フォン・カウルバッハ(1846年)
古代ローマによるエルサレム陥落を描いた、壮大な歴史画。

106. 《この人を見よ》オノレ・ドーミエ(1849〜52年頃)
鞭打たれ、群衆の前に引き出されたキリストを描いた、風刺画家ドーミエによる宗教画。

19世紀後半(38点)
107. 《フリードリヒ大王のフルートコンサート》アドルフ・フォン・メンツェル(1850〜52年)
プロイセン王フリードリヒ大王が、宮廷でフルートを演奏する場面を描いた歴史画。

108. 《オフィーリア》ミレイ(1851〜52年)
シェイクスピア『ハムレット』の悲劇のヒロインが、川に沈んでいく場面を描いた、ラファエル前派の代表作。

109. 《雇われ羊飼い》ウィリアム・ホルマン・ハント(1851年)
牧歌的な情景の裏に、道徳的な寓意を込めた、ラファエル前派の作品。

110. 《狩猟の朝食》クールベ(1858年)
狩猟の後の休息の様子を、写実主義の視点で描いた作品。

111. 《トルコ風呂》アングル(1862年)
複数の裸婦を円形の画面に配した、アングル晩年の官能的な代表作。

112. 《オランピア》マネ(1863年)
現実の娼婦を、鑑賞者を見据える視線とともに描き、当時大きなスキャンダルを呼んだ作品。

113. 《庭の女たち》モネ(1866年)
屋外の光を捉えようとした、印象派初期を代表するモネの作品。

114. 《一人こぎのマックス・シュミット》トマス・エイキンズ(1871年)
ボート漕ぎに興じる友人を、精密な写実描写で描いた、アメリカ写実主義の作品。

115. 《パリの通り、雨》ギュスターヴ・カイユボット(1877年)
近代化するパリの街路を、雨の中を歩く人々とともに描いた作品。

116. 《黒と金のノクターン:落下する花火》ホイッスラー(1877年)
花火の光を抽象的に描いた作品。批評家ラスキンとの訴訟の原因となったことで知られる。

117. 《教会の3人の女性》ヴィルヘルム・ライブル(1878〜82年)
農村の女性たちを、緻密な写実技法で描いた、ドイツ写実主義の作品。

118. 《黄金時代》ハンス・フォン・マレース(1879〜85年)
理想化された古代の牧歌的情景を描いた、ドイツ象徴主義の先駆的作品。
119. 《春の目覚め》アルノルト・ベックリン(1880年)
自然の再生を、寓意的な人物とともに描いた、象徴主義を代表する画家による作品。

120. 《舟遊びをする人々の昼食》ルノワール(1880年)
セーヌ川沿いで談笑する人々を描いた、印象派を代表する作品。

121. 《スルタンへの手紙を書くザポロージャのコサックたち》イリヤ・レーピン(1880〜91年)
コサックたちが、痛快な文面の手紙をしたためる様子を描いた、ロシア写実主義の代表作。

122. 《グランド・ジャット島の日曜日の午後》スーラ(1884〜86年)
点描技法を用いて、公園でくつろぐ人々を描いた、新印象派の記念碑的作品。

123. 《浴槽の女》ドガ(1886年)
入浴する女性の姿を、意表を突く構図で捉えた、ドガのパステル作品。

124. 《網を繕う女たち》マックス・リーバーマン(1887〜89年)
漁村で働く女性たちの姿を描いた、ドイツ印象派の作品。

125. 《夜のカフェテラス》ゴッホ(1888年)
星空の下、黄色い光に照らされたカフェのテラスを描いた、ゴッホの代表作。

126. 《自画像》ゴッホ(1889年)
うねるような筆致で、自らの内面を映し出した、ゴッホ晩年の自画像。

127. 《嵐》ウィリアム・マクタガート(1890年)
荒れる海を描いた、スコットランドの風景画家による作品。
128. 《子どもの沐浴》メアリー・カサット(1891年頃)
母子の親密な情景を描いた、印象派を代表する女性画家による作品。

129. 《狐狩り》ウィンズロー・ホーマー(1893年)
雪原で狐を追うカラスの群れを描いた、アメリカの画家による作品。

130. 《灰》ムンク(1894〜95年)
別れの後の女性の姿を描いた、ムンクの恋愛をめぐる作品群の一つ。

131. 《マハナ・ノ・アトゥア(神の日)》ゴーギャン(1894年)
タヒチの人々の生活と信仰を、装飾的な色彩で描いた作品。

132. 《スフィンクスの愛撫》フェルナン・クノップフ(1896年)
謎めいたスフィンクスと青年の姿を描いた、ベルギー象徴主義の代表作。

133. 《眠れるジプシー女》アンリ・ルソー(1897年)
砂漠に眠る女性と、それを見下ろすライオンを描いた、素朴派を代表する幻想的な作品。

134. 《聖なる叙聖》ミハイル・ネステロフ(1897〜98年)
ロシア正教の宗教的情景を描いた、象徴主義的な作品。

135. 《サント・ヴィクトワール山》セザンヌ(1897年)
故郷プロヴァンスの山を、幾何学的な色面で捉え直した、セザンヌの代表的な連作の一枚。

136. 《仮面をつけた自画像》ジェームズ・アンソール(1899年)
仮面の群衆に囲まれた自らの姿を描いた、ベルギーの画家による、不穏な自画像。

1900〜1909年(11点)
137. 《水浴図》セザンヌ(1900年頃)
複数の裸婦を、樹木の作る三角形の構図の中に配した、セザンヌ晩年の代表的な連作。

138. 《女性に賛美される青春》フェルディナント・ホドラー(1903年)
理想化された若さと、律動的に配置された人物群を描いた、スイスの象徴主義作品。
139. 《妻と娘たちとのレンバッハ》フランツ・フォン・レンバッハ(1903年)
ドイツの著名な肖像画家が、自らの家族を描いた作品。
140. 《人生》ピカソ(1903〜04年)
親友の自死をきっかけとする、抑うつ的な「青の時代」を代表する作品。

141. 《橋の上の4人の少女》ムンク(1905年)
橋の上に佇む少女たちを描いた、ムンクが繰り返し取り上げた主題の一枚。

142. 《サロメ》フランツ・フォン・シュトゥック(1906年)
洗礼者ヨハネの首を求めた王女サロメを描いた、世紀末芸術を代表する作品。

143. 《青い裸婦》マティス(1907年)
大胆な色面と単純化された形態で、裸婦を描いたフォーヴィスムの代表作。

144. 《逆光の裸婦》ピエール・ボナール(1908年)
室内の光の中に溶け込む裸婦を描いた、ナビ派を代表する画家による作品。

1910〜1919年(30点)
145. 《即興6》カンディンスキー(1910年)
具体的な対象を離れ、色彩と形態そのもので感情を表現しようとした、抽象絵画の先駆的作品。
146. 《結婚式》フェルナン・レジェ(1911年)
円筒形に単純化された人体を組み合わせて描いた、キュビスムを代表する作品。
147. 《冬の村の通り》ガブリエーレ・ミュンター(1911年)
簡潔な色面で構成された、雪に覆われた村の風景を描いた作品。
148. 《私と村》シャガール(1911年)
故郷ロシアへの郷愁を、幻想的な構図で描いたシャガールの代表作。

149. 《汽車の中の悲しい青年》マルセル・デュシャン(1911年)
動きを連続する像として捉えた、未来派の影響を受けたデュシャン初期の作品。

150. 《エッフェル塔》ロベール・ドローネー(1911年)
建設間もないエッフェル塔を、断片化した構図で描いた、オルフィスムの代表作。
151. 《別れ》ウンベルト・ボッチョーニ(1911年)
駅での別れの場面を、動きと感情の力線で描いた、未来派を代表する作品。

152. 《エジプトの聖マリア》エミール・ノルデ(1912年)
激しい色彩と筆致で、聖女の生涯を描いた、ドイツ表現主義の作品。

153. 《病み上がりの女》エーリッヒ・ヘッケル(1912〜13年)
病から回復しつつある女性の姿を、鋭い線描で描いた、ドイツ表現主義の作品。
154. 《虎》フランツ・マルク(1912年)
動物の生命力を、鮮やかな色彩と鋭角的な形態で表現した、青騎士派の代表作。

155. 《花咲くリンゴの木》モンドリアン(1912年)
具象から抽象への移行期を示す、モンドリアン初期の重要な作品。

156. 《街の5人の女》キルヒナー(1913年)
都市の街娼たちを、鋭く歪んだ形態で描いた、ドイツ表現主義の代表作。
157. 《抽象的な速度+音》ジャコモ・バッラ(1913〜14年)
速度と音という、目に見えない感覚を、抽象的な形態で表現した未来派の作品。

158. 《帽子屋の前》アウグスト・マッケ(1914年)
都市の日常風景を、明るい色彩で描いた、ドイツ表現主義の作品。

159. 《競輪選手》ジャン・メッツァンジェ(1914年)
自転車競技の動きを、多視点から分解して描いた、キュビスムの作品。

160. 《モスクワのイギリス人》カジミール・マレーヴィチ(1914年)
文字や記号を断片的に配置した、キュビスムと未来派を融合させた作品。

161. 《イーゼルの前の自画像》ロヴィス・コリント(1914年)
制作中の自らの姿を描いた、ドイツ印象主義を代表する画家の自画像。
162. 《風の花嫁》ココシュカ(1914年)
恋人アルマ・マーラーとの関係を描いた、渦巻くような筆致の表現主義的作品。

163. 《電気のプリズム》ソニア・ドローネー(1914年)
街灯の光を、円形の色彩構成で表現した、オルフィスムの作品。
164. 《二人の子と母》エゴン・シーレ(1915〜17年)
母子の緊張感ある関係性を、鋭い線描で表現したシーレの作品。
165. 《地球の非常に稀な絵》フランシス・ピカビア(1915年)
機械的なモチーフを用いて、人間関係を寓意的に描いた、ダダの先駆的作品。
166. 《朝食のテーブル》フアン・グリス(1915年)
日常の静物を、幾何学的に再構成した、キュビスムの代表作の一つ。
167. 《川辺の水浴者》マティス(1916〜17年)
単純化された形態と抑制された色彩で、水浴する人物を描いた作品。

168. 《出会い》ヨハネス・イッテン(1916年)
色彩理論家としても知られるイッテンによる、抽象的な構成作品。
169. 《女性演奏家》ジョルジュ・ブラック(1917〜18年)
楽器を演奏する女性を、キュビスムの手法で再構成した作品。
170. 《瞑想》アレクセイ・フォン・ヤウレンスキー(1918年)
単純化された顔の形態を通じて、精神性を表現しようとした連作の一枚。
171. 《台所包丁で切り裂く》ハンナ・ヘッヒ(1919〜20年)
新聞や雑誌の切り抜きを組み合わせた、ダダを代表するフォトモンタージュ作品。
1920年代(16点)
172. 《無題》ゲオルゲ・グロス(1920年)
戦後ドイツ社会への痛烈な風刺を込めた、新即物主義を代表する画家による作品。
173. 《メルツビルト25A、コンステレーション》クルト・シュヴィッタース(1920年)
廃材やがらくたを組み合わせた、シュヴィッタース独自の「メルツ」と呼ばれるコラージュ作品。
174. 《LIS》モホリ=ナジ(1922年)
バウハウスで活動した画家による、幾何学的な形態を用いた構成作品。

175. 《婚約者たち》コンスタン・ペルメーケ(1920年代)
ベルギー表現主義を代表する画家による、力強い量感の人物像。
176. 《日曜日》フリッツ・ファン・デン・ベルゲ(1924年)
静かな日曜日の情景を、独自の様式で描いたベルギーの画家による作品。

177. 《鳥の庭》パウル・クレー(1924年)
色彩と線描を組み合わせ、詩的な幻想世界を描いたクレーの代表的な作品。

178. 《クッカムの復活》スタンリー・スペンサー(1924〜27年)
イギリスの故郷の村を舞台に、死者たちの復活を描いた、独特の宗教画。
179. 《鳥の雲》ライオネル・ファイニンガー(1926年)
幾何学的に分割された空を、鳥の群れとともに描いたバウハウスの画家による作品。
180. 《オランダの室内I》ジョアン・ミロ(1928年)
古典絵画を独自に翻案した、ミロのシュルレアリスム的な作品。
181. 《夏の午後4時ごろ、希望》イヴ・タンギー(1929年)
夢のような不毛の風景に、有機的な形態を配した、シュルレアリスムの代表作。

1930年代(10点)
182. 《アメリカン・ゴシック》グラント・ウッド(1930年)
農夫と娘(あるいは妻)を、素朴な様式で描いた、アメリカ地方主義を代表する作品。

183. 《白いキャリコの花》ジョージア・オキーフ(1931年)
花の一部を極端に拡大して描いた、オキーフを代表する作品。
184. 《手すりの前の集団I》オスカー・シュレンマー(1931年)
人体を幾何学的に構成し、空間との関係性を探求した、バウハウスの作品。
185. 《フランドル》オットー・ディクス(1934〜36年)
第一次世界大戦の塹壕戦の惨状を、生々しく描いたディクスの代表作。
186. 《日々のストレス》リヒャルト・エルツェ(1934年)
シュルレアリスム的な不安を、独自の様式で描いたドイツの画家による作品。
187. 《夢の風景》ポール・ナッシュ(1936〜38年)
イギリスの風景に、超現実的な要素を組み込んだナッシュの代表作。
188. 《20セント映画館》レジナルド・マーシュ(1936年)
大恐慌期のニューヨークの映画館を描いた、アメリカ都市風俗画の作品。

189. 《燃えるキリン》ダリ(1936年)
炎に包まれたキリンなど、不安を象徴する図像を組み合わせた、ダリのシュルレアリスム作品。
190. 《ゲルニカ》ピカソ(1937年)
スペイン内戦中の爆撃の惨状を描いた、20世紀を代表する反戦画。

191. 《花嫁の衣装》マックス・エルンスト(1939年)
鳥人間や幻想的な生物を組み合わせた、エルンストのシュルレアリスム作品。
1940年代(6点)
192. 《俳優たち(三連画)》マックス・ベックマン(1941〜42年)
戦争と人生の不条理を、演劇的な寓意で描いたベックマンの代表的な三連画。
193. 《ナイトホークス》エドワード・ホッパー(1942年)
深夜のダイナーに集う、孤独な人々の姿を描いた、ホッパーの代表作。

194. 《ある年のトウワタ》アーシル・ゴーキー(1944年)
有機的な形態と流れるような線で構成された、抽象表現主義の先駆的作品。

195. 《十字架下の人物のための三習作》フランシス・ベーコン(1944年)
歪んだ人体を通じて、苦悩と暴力を表現した、ベーコンの出世作。
196. 《豊かな国》ジャン・デュビュッフェ(1944年)
子供の絵や素朴な表現に着想を得た、アール・ブリュットを代表する作品。
197. 《クリスティーナの世界》アンドリュー・ワイエス(1948年)
草原に横たわる女性が、遠くの家を見つめる情景を描いた、ワイエスの代表作。
1950年代(13点)
198. 《秋のリズム》ジャクソン・ポロック(1950年)
絵の具を滴らせる技法で描いた、抽象表現主義を代表するポロックの大作。
199. 《内陸の海岸風景》ヴィクター・パスモア(1950年)
抽象と具象の境界を探求した、イギリスの画家による風景画。
200. 《時の絵―障壁》エミリオ・ヴェドーヴァ(1951年)
激しい筆致と構成で、社会的な緊張を表現した、イタリアの画家による作品。
201. 《山と海》ヘレン・フランケンサーラー(1952年)
薄めた絵の具をキャンバスに染み込ませる技法で描いた、色面絵画の代表作。

202. 《青の構成》フリッツ・ヴィンター(1953年)
自然の形態を抽象化した、ドイツ戦後美術を代表する作品。
203. 《出会い》リチャード・リンドナー(1953年)
様式化された人物像を通じて、都市の人間関係を描いた作品。
204. 《旗》ジャスパー・ジョーンズ(1954〜55年)
アメリカ国旗そのものを主題とした、ポップアートの先駆けとなった作品。
205. 《光の帝国》マグリット(1954年)
昼の空と夜の街並みを同居させた、マグリットを代表するシュルレアリスム作品。
206. 《ジャン・ジュネの肖像》アルベルト・ジャコメッティ(1955年)
極度に細長く様式化された人体表現で知られる、ジャコメッティによる肖像画。
207. 《正方形讃歌:深い青に対して》ヨーゼフ・アルバース(1955年)
色彩の相互作用を探求した、アルバースの代表的な連作の一枚。

208. 《空間概念》ルーチョ・フォンタナ(1957年)
キャンバスを切り裂くことで、平面を超えた空間性を表現した作品。
209. 《C&O》フランツ・クライン(1958年)
黒と白の大胆な筆致で構成された、抽象表現主義を代表する作品。
210. 《赤・茶・黒》マーク・ロスコ(1958年)
色面を重ねることで、瞑想的な感情を喚起する、ロスコの代表作。
1960年代(10点)
211. 《グラウツーク》エルンスト・ヴィルヘルム・ナイ(1960年)
色彩そのものの構成に重点を置いた、ドイツ戦後抽象絵画の作品。
212. 《ベータ・カッパ》モーリス・ルイス(1961年)
薄めた絵の具を、キャンバスに流し込むように配色した、色面絵画の代表作。
213. 《上塗りされた自画像》アルヌルフ・ライナー(1962〜63年)
自らの写真や絵の上に、激しい筆致を重ねて描いた、独自の自画像。
214. 《テキサン、ロバート・ラウシェンバーグの肖像》アンディ・ウォーホル(1963年)
同時代の芸術家を、シルクスクリーン技法で描いた、ポップアートの作品。
215. 《芸術の寓意》ゲオルク・バゼリッツ(1960年代)
上下逆さまの人物像で知られる、バゼリッツによる寓意的な作品。
216. 《偉大な友人たち》ゲオルク・バゼリッツ(1965年)
戦後ドイツの記憶を、独自の様式で描いたバゼリッツの代表作の一つ。
217. 《戦争》コンラート・クラプヘック(1965年)
機械やタイプライターを擬人化して描いた、クラプヘック独自の様式による作品。
218. 《髪飾りの少女》ロイ・リキテンスタイン(1965年)
コミックのコマを拡大したような、ポップアートを代表する作品。
219. 《ミス・アメリカ》ヴォルフ・フォステル(1968年)
テレビ画像などを組み合わせた、フルクサスを代表する画家による社会批評的作品。
220. 《黒い肌》ゴットハルト・グラウブナー(1969年)
色彩そのものの質感と深みを追求した、ドイツの画家による抽象作品。
よくある誤解
誤解①「番組名の『100』の通り、選ばれた絵画は100点である」→ 実際は220点にのぼる
タイトルから100点ちょうどの選定だと思われがちですが、実際には20のテーマ別グループそれぞれから複数の画家・作品が選ばれており、1人の画家から2点、3点と選出されているケースも多いため、実際の総数は220点に達します。「100」はテーマの区切り数ではなく、番組が目指した象徴的な数字だったと考えられます。
誤解②「有名な画家ほど多く選ばれ、無名の画家は含まれない」→ 実際は無名に近い作者不詳の作品も含まれている
「名画選」という性格上、著名な巨匠の代表作だけが並んでいると思われがちですが、実際には12世紀中国の作者不詳の絵画や、帰属そのものが確定していないゴヤ作とされる《コロッソ》のような、権威づけの弱い作品もあえて選ばれており、単なる有名作家の顔見せにとどまらない選定方針がうかがえます。
FAQ
Q. BBC「100 Great Paintings」とはどんな番組ですか?
A. 1980年にイギリスのBBC Twoで放送された美術ドキュメンタリー番組で、美術評論家エドウィン・マリンズが企画しました。「戦争」「礼拝」「色彩の言語」など20のテーマ別グループを設定し、各グループから複数点ずつ、合計220点の絵画を紹介しています。
Q. なぜ実際の作品数が220点にもなるのですか?
A. 番組の構成が「1テーマにつき5点」ではなく、テーマごとに異なる画家・作品数を柔軟に組み合わせる形をとっていたためで、結果として1人の画家から複数作品が選ばれるケースが積み重なり、220点という総数になりました。
Q. モナ・リザのような超有名作は入っていますか?
A. いいえ。企画者のマリンズは、レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》やジョン・コンスタブルの《干し草車》のような、あまりに知られすぎた作品をあえて選定から外し、より新鮮な視点で美術に触れられる構成を目指しました。
Q. この記事の年代順リストは番組本来の並びと違うのですか?
A. はい。番組本来の構成はテーマ別のグループ分けでしたが、この記事では美術史の流れをたどりやすいよう、全220作品を制作年代順に並べ替えています。
まとめ
BBC「100 Great Paintings」は、タイトルの「100」に反して実際には220点もの絵画を選び出し、12世紀の中国絵画から1969年の現代美術まで、800年近い時間を横断した意欲的な企画でした。年代順に並べ直すことで、様式が少しずつ移り変わっていく美術史の大きな流れを、テーマ別の構成とはまた違った角度から一望できます。
