《ケシの花》とは|カイロで2度盗まれたゴッホを徹底解説

ご指摘ありがとうございます。マハムード・ハリル美術館の《ケシの花》として書き直します。

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《ケシの花》とは|カイロで2度盗まれたゴッホを徹底解説

《ケシの花》(英:Poppy Flowers、別名『花瓶と花』『花瓶とビスカリア』)は、オランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホが1887年に手がけた油彩画で、エジプト・カイロのマハムード・ハリル美術館に所蔵されていました。黒みを帯びた背景に、黄色い花々と赤いケシの花を描いたこの作品は、2度にわたって盗難の被害に遭い、2010年の2度目の盗難以来、今日まで行方が分かっていません。この記事では、この絵がどのような経緯で描かれ、なぜ同じ美術館から2度も盗まれることになったのかを見ていきます。

《ケシの花》とは — 基本情報

項目内容
作者フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)
制作年1887年(パリ)
技法・素材油彩・カンヴァス
サイズ65×54cm
本来の所蔵先マハムード・ハリル美術館(カイロ、エジプト)
現状2010年に盗難、現在も行方不明
評価額約5000万〜5500万ドル

一言でいうと

《ケシの花》は、暗い背景に映える黄色い花々と赤いケシの対比によって、ゴッホがパリで色彩の探求を深めていた時期をとらえた作品です。しかし本作は1977年と2010年の2度にわたって盗難の被害に遭い、2度目の盗難以降、今なお発見されていません。

制作背景 — なぜこの絵は生まれたのか

モンティセリからの影響

本作は、ゴッホがパリ滞在中に手がけた花の静物画の1点です。厚みのある絵具の重なりと豊かな色彩には、マルセイユ出身の年長の画家アドルフ・モンティセリからの強い影響が見て取れます。ゴッホは弟テオへの手紙のなかで、モンティセリ風に絵具を厚塗りせざるを得ないと述べ、時にはあの人の仕事を自分が引き継いでいるのだとさえ思うと書き記しています。実際、ハリル美術館にはモンティセリの作品も所蔵されており、本作とよく似た雰囲気を持っています。

エジプトの収集家夫妻のコレクションへ

本作は、エジプトの実業家であり美術愛好家でもあったマハムード・ハリルと、その妻エミリーヌ・ルースによって収集されました。1915年に建てられた夫妻の邸宅は、のちにマハムード・ハリル美術館として一般公開され、中東でも屈指の19、20世紀ヨーロッパ絵画コレクションを誇る美術館となっています。

見どころ徹底解説

黄色とケシの赤が織りなす対比

画面には、暗い背景のなかに黄色い花々が生けられた花瓶が描かれ、その左側には鮮やかな赤いケシの花が添えられています。光と影を巧みに使い分けることで花々に立体感を与えつつ、大胆な筆致と彫刻的とも評される絵具の盛り上げによって、独特の力強い質感を生み出しています。

事件 — 2度にわたる盗難

1977年、最初の盗難

本作は1977年6月4日、マハムード・ハリル美術館から最初に盗み出されました。その後、クウェートで発見され、美術館に返還されています。この最初の盗難の経緯から、1994年から1995年にかけてパリのオルセー美術館で開催された、ハリル美術館所蔵作品による展覧会「カイロの忘れられた作品たち」への出品は見送られました。

2010年、2度目の盗難

2010年8月21日、本作は再びマハムード・ハリル美術館から盗み出されました。犯人はナイフで額縁からカンヴァスを切り取り、白昼堂々と美術館の開館時間中に犯行に及んだとされています。捜査の結果、美術館の警備体制には重大な不備があったことが明らかになりました。警報装置はほぼすべてが作動しておらず、43台ある防犯カメラのうち機能していたのはわずか7台にすぎませんでした。

エジプトの文化相は事件発生から数時間後、カイロ国際空港でイタリア人の男女2人を拘束し、絵画を押収したと発表しましたが、この発表はのちに誤情報に基づくものだったとして撤回されています。捜査が進むにつれ、美術館職員の関与を示す状況証拠も浮かび上がりました。同年10月12日、文化省と美術館の職員11人が職務怠慢の罪で有罪判決を受け、禁固3年の刑を言い渡されています。しかし絵画そのものは今日に至るまで発見されていません。

実際に見るには

本作は現在行方不明であり、鑑賞することはできません。マハムード・ハリル美術館は現在も、モネやルノワールをはじめとする印象派・後期印象派の充実したコレクションを公開しており、本作が戻ってくる日を待ちながら、他の所蔵作品を通じてこの時代の空気に触れることができます。

よくある誤解

本作はしばしば「単なる紛失した静物画」として語られがちですが、実際には同一の美術館から2度も盗まれるという極めて異例な経緯をたどっています。また2010年の事件では、当初は容疑者の身柄確保と絵画の回収が発表されながらも、のちにその発表自体が誤りだったと撤回されるという混乱もあり、単純な盗難事件以上に複雑な経緯をたどった点にも注意が必要です。

FAQ

Q. 《ケシの花》は何回盗まれたのですか?
1977年と2010年の2回にわたって、マハムード・ハリル美術館から盗まれています。

Q. 最初の盗難のときはどうなりましたか?
クウェートで発見され、美術館に返還されました。

Q. 2度目の盗難はどのように行われたのですか?
2010年8月、開館時間中に犯人がナイフで額縁からカンヴァスを切り取って持ち去りました。

Q. なぜ盗難を防げなかったのですか?
警報装置がほぼ作動しておらず、防犯カメラも43台中7台しか機能していないなど、美術館の警備体制に重大な不備があったためです。

Q. 絵は今どこにありますか?
2010年の盗難以来、行方が分かっておらず、今日に至るまで発見されていません。

まとめ

《ケシの花》は、ゴッホがパリで培った色彩感覚を伝える作品でありながら、同じ美術館から2度も盗まれるという数奇な運命をたどってきました。杜撰な警備体制と、混乱した捜査発表という現実の出来事そのものが、この絵の物語に加わり続けています。

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